俺の開発研究所

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オープンソースの学術機関リポジトリシステム「DSpace」をWindowsへインストールする手順

      2016/11/28

学術機関リポジトリとは、大学・研究機関の論文などの研究成果(デジタルデータ)をインターネット上に公開し、誰でも閲覧できるようにするものである。
DSpace」は、元々はマサチューセッツ工科大学(MIT)とヒューレット・パッカード(HP)によって開発されたシステムらしい。
DSpaceは現在、オープンソースソフトウェアとして開発されているようだ。

日本の大学では、このDSpaceを利用して学術機関リポジトリを運営している機関が多い。
しかし、現在のDSpaceの安定版最新バージョンは「5.6」(2016年10月時点)であるが、どこの大学の機関リポジトリを見ても古いバージョンを使用している。
そこで、最新バージョン「5.6」がどんな感じかを試してみようかと。
マニュアルが英語しかないので、それを解読しつつ、Windowsへインストールして動作させてみた。

なお、今回のバージョンは以下です。

  • Windows 10 Home(64bit)
  • Pleiades All in One 4.6.1.v20161018(Eclipse 4.6.1 Neon)
  • PostgreSQL 9.6.0
  • DSpace 5.6

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Pleiades All in Oneパッケージのダウンロード

今回は、Pleiades All in Oneを使用して動作させる。
これは、統合開発環境のEclipseとその他諸々が同梱されたパッケージである。
これを使用すれば、DSpaceの動作に必要なJava、Tomcat、Ant・Maven(ビルドツール)が含まれており、環境構築が簡単である。

手順はこちらのページ参照。
EclipseのJava開発環境構築手順(Pleiades All in Oneパッケージ)

なお、Tomcatは単体で使用するので、環境変数に以下を設定した。

  • JAVA_HOME…C:\Pleiades\java\7
  • PATH…%JAVA_HOME%\bin(※追記)

PostgreSQLのインストール

DSpaceのRDBMS(データベース)は、OracleかPostgreSQLである。
オープンソースで組み合わせるなら、基本的にPostgreSQLでよいと思う。

PostgreSQL公式サイトより、該当バージョンのインストーラーをダウンロードし、インストールする。
なお、PostgreSQLのJDBCドライバ「pgJDBC」はDSpaceに同梱されているので、不要である。

インストールが完了したら、以下のコマンドでデータベースとデータベースユーザーを作成しておく。
※pgAdminで行ってもよい。コマンド使用する場合は、binフォルダへ環境変数PATHを通す。

DSpaceのインストール

DSpaceのダウンロード

DSpaceは、GitHubで公開されているため、Gitでクローンしてソースコードをダウンロードし、安定版最新バージョンの「5.6」にチェックアウトする。
コマンドは以下のようになる。
※TortoiseGitで行ってもよい。

WindowsでGitを使用する手順はこちらのページ参照。
WindowsのGit環境構築手順

build.propertiesファイルの編集

DSpace直下にある「build.properties」ファイルを環境に合わせて編集する。
注意点としては、以下のようである。
また、データベースなど最低限指定しないといけないところを一覧にしてみた

  • dspace.install.dir…「\」ではなく「/」にしておく。フォルダは作成しておく。
  • dspace.ui…デフォルトのフォルダで使用するなら「xmlui/jspui」だが、「dspace」とかにした方がわかりやすいと思う。

Mavenビルド

build.propertiesファイルが編集できたら、Mavenというビルドツールでビルドする。
これはEclipseで行うことにする。

Eclipseを起動し、メニューバー「実行」⇒「実行の構成」を開く。
左側メニュー「Mavenビルド」を選択し、「新規」ボタンで新規作成する。
以下のように指定し、実行する。

  • 基底ディレクトリ…C:\Pleiades\workspace\dspace-source
  • ゴール…package
  • ランタイムJRE…代替JRE(java7)

実行すると、コンソールにメッセージが出力されて、ビルド完了すると、以下のフォルダ・ファイルが作成される。

  • C:\Pleiades\workspace\dspace-source\dspace\target\dspace-installer\build.xml

Antビルド

続いて、作成されたbuild.xmlファイルを元に、Antというビルドツールでビルドする。
こちらも同様に、Eclipseで行うことにする。

メニューバー「実行」⇒「外部ツール」⇒「外部ツールの構成」を開く。
左側メニュー「Antビルド」を選択し、「新規」ボタンで新規作成する。
以下のように指定し、実行する。

  • ビルドファイル…C:\Pleiades\workspace\dspace-source\dspace\target\dspace-installer\build.xml
  • 実行するターゲットを検査…fresh_installにチェックオン
  • ランタイムJRE…代替JRE(java7)

実行すると、コンソールにメッセージが出力されて、ビルド完了すると、以下のフォルダ(build.propertiesファイルのdspace.install.dirで指定したフォルダ)にDSpaceの実行ファイル類が作成される。

  • C:\Pleiades\workspace\dspace

データベース初期化、管理者ユーザーの作成

ビルドが終わったら、データベースの初期化とDSpace管理者ユーザーの作成を行う。
コマンドプロンプトを開き、ビルドで作成されたbinフォルダ内のコマンド実行する。

Tomcatへデプロイ

ビルドで作成されたwebappsフォルダ内のフォルダをTomcatのwebappsフォルダへコピーしてデプロイする。

  • コピー元…C:\Pleiades\workspace\dspace\webapps
  • コピー先…C:\Pleiades\tomcat\7\webapps

コピーする対象は、以下の4つにした。

  • jspui…コピー先のフォルダ名を「dspace」にする。上記のdspace.uiで設定している。
  • oai…OAI-PMHによるメタデータのハーベストするなら必要と思われる。
  • solr…Apache Solrという検索エンジン。jspui/xmluiとともにデプロイおかないと画面が正しく表示されなかった。
  • xmlui…そのままコピー。

jspui/xmluiの違いは、いまいちよくわからないが、jspuiはHTML5でCSSフレームワークのBootstrapでデザインされているようで、xmluiはWebアプリケーションフレームワークのApache CocoonがベースでXMLで作成されているようだ。

配置が終わったら、以下のバッチファイルでTomcatの起動を行う。
コンソールにメッセージが出力されて、デプロイが完了し、Tomcatが起動する。

  • Tomcat起動…C:\Pleiades\tomcat\7\bin\startup.bat
  • Tomcat終了…C:\Pleiades\tomcat\7\bin\shutdown.bat

DSpaceの画面表示

Tomcatが起動したら、画面が表示されることを確認してみよう。

  • http://localhost:8080/dspace/
  • http://localhost:8080/xmlui/

jspuiとxmluiの画面はこのような感じ。

DSpace
DSpace

なお、TomcatがOutOfMemoryErrorになり画面が表示できないことがあったので、PCのスペックに合わせて環境変数に以下を設定した。
環境変数設定後は、Tomcatを再起動させる。

  • CATALINA_OPTS…-XX:MaxPermSize=256m -Xmx1024m -Xms512m

最後に

とりあえず動作させてみたが、使い方がさっぱりわからないので、いろいろ触ってみようかと思う。
最新バージョンの日本語の資料があればいいのだが。

以上。

参考サイト

Installing DSpace – DSpace 5.x Documentation – DuraSpace Wiki

 - DSpace